05 長尺旋盤とは

旋盤加工の中で、加工が難しいとされているのが長尺旋盤です。

ここでは、長尺旋盤とは何なのかや、なぜ長尺旋盤の加工は難しいのかについてご紹介します。

長尺旋盤とは

長尺旋盤は、その名の通り全長(L寸)が長い製品を旋盤で加工することです。もしくは、長尺に対応できる旋盤そのものを指す言葉としても使われています。

どれくらい長いと長尺旋盤とみなすか、という明確な定義はありません。一般的には、全長(L寸)が1,000mmから1,500mmを超えると、長尺旋盤として扱われることが多いように思います。

旋盤は型式ごとに加工できる最大サイズが決まっています。そのため、加工したい製品サイズに対応した旋盤を保有していなければ、長尺旋盤を行うことはできません。ただし、旋盤さえ保有していればよいというものではなく、高精度に加工するためには高い技術力と豊富な経験が必要です。

長尺旋盤はなぜ難しいのか

長尺旋盤がなぜ難しいのかというと、材料の振れや曲がりが発生しやすいためです。

長尺の材料は、回転させていると遠心力で振れてしまったり、ビビリと呼ばれる振動が発生しやすいため、中心軸がズレた状態で旋盤加工を行うことになります。また、材料が長いと自重によって垂れてしまったり、切削抵抗によって曲がりやすくなります。

旋盤加工品では、同軸度・同芯度の精度が求められることが多くなっています。長尺旋盤はこれらに対して悪影響を及ぼしやすい条件が揃っているため、難しいとされているのです。

また、長尺旋盤での材料の振れや曲がりは、径が細い場合や薄肉の場合により発生しやすくなります。細くて長いもの、薄くて長いものは加工が難しくなると覚えておきましょう。

まとめ

長尺旋盤についてご理解いただけたでしょうか。一般的に難しいとされている長尺旋盤ですが、得意とする企業は経験を基にして適切な条件で加工をしたり、振れ止めなどを用いて工夫しながら長尺旋盤を行っています。

当社サーフエンジニアリングも長尺旋盤を得意としており、長尺×細物や長尺×薄物の加工実績がございます。もちろん、長尺×大径の加工も対応可能です。長尺旋盤をご要望の際にはぜひご相談ください。