08 旋盤加工で使われるアルミニウム材料

アルミニウムは旋盤加工でよく使われる材料であり、軽くて柔らかいため加工がしやすいのが特徴です。

ここでは、旋盤加工でよく使われるアルミニウム材料の種類と特徴をご紹介します。

A5052

A5052は、アルミニウム材料の中で最も多く使用されており、マグネシウムを含むことで強度と耐食性が向上しています。強度が高いと加工性が悪くなる傾向にありますが、A5052は中程度の強度を持ち、加工性とのバランスが優れているのが特徴です。機械部品や飲料缶、建材など幅広い用途で使用されています。

A5056

A5056は、上述したA5052と同様にマグネシウムを含んで強度と耐食性を向上させた材料です。A5052との違いは、旋盤加工で使用する丸棒材で多く流通していることや、切削加工で表面がきれいに仕上がることなどが挙げられます。そのため、旋盤加工においてはA5056を利用することが多い傾向にあります。

A2017

A2017は、銅やマグネシウムを含むことで強度を向上させたアルミニウム材料です。ジュラルミンとも呼ばれています。アルミニウムの特徴である軽さを保ちつつ、鉄系材料に匹敵する強度を持つ場合もあるため、強度が求められる機械部品などによく使われています。切削加工もしやすいですが、銅を含んだことにより耐食性は若干落ちてしまっています。

A6061

A6061は、マグネシウムとシリコンを含むことで耐食性を向上させたアルミニウム材料です。船舶や建築物、機械部品などで使用されています。耐食性は高いものの、強度が低いという特徴がありますが、T6処理と言われる熱処理を行うことで強度を高めることができます。耐食性も強度も必要な場合は、T6処理も組み合わせて使用することが多くなっています。

まとめ

アルミニウムは優れた特性を持つため、他の材料の置き換えとして使われることが増えている材料です。アルミニウムの種類と特徴を知り、旋盤加工で活かせるようにしましょう。