09 旋盤加工で使われる銅系材料

銅は加工がしやすく、導電性や熱伝導性の高さなどの優れた特性を持つ材料です。非鉄金属の中では、アルミニウムと並んで幅広い用途で使われている金属材料だといえます。

ここでは、旋盤加工でよく使われている銅系材料の種類と特徴についてご紹介します。

C1020

C1020は、純度が99.96%以上の純銅であり、「無酸素銅」とも呼ばれています。他の金属元素が含まれていないため、銅の持つ特性が強く現れています。加工がしやすく、導電性や熱伝導性が非常に高いのですが、強度は低くなっています。電子機器や熱交換器の部品など、電気や熱を用いる部品の材料としてよく使われています。

C1100

C1100は、純度が99.90%以上の純銅であり、「タフピッチ銅」とも呼ばれています。上述したC1020と同じく、加工性、導電性、熱伝導性に優れるほか、耐食性も良いです。C1020と比べると、若干ではあるものの強度も高くなっています。ただし、C1100は600℃以上の高温環境下で水素脆化という現象を引き起こしてしまい、割れやクラックが生じるため注意が必要です。

C2801

C2801は、「真鍮」や「黄銅」と呼ばれる材料です。銅に亜鉛を加えた銅合金で、強度が増しています。加工性も良くて比較的安価なことから、銅合金の中ではよく使われる材料の一つです。機械部品や日用品など幅広い用途で使用されています。

C3604

C3604は、黄銅に鉛を加えることによって切削加工性を向上させた材料であり、「快削黄銅」とも呼ばれています。C3604は小さい力でも切削加工ができ、加工面もきれいに仕上げやすくなっています。棒材で多く流通しているため、旋盤加工でよく使われる銅系材料の代表格だといえるでしょう。

C5341

銅とスズの合金である青銅にリンを加えることで、強度やバネ性を高めた材料を「りん青銅」と言います。りん青銅に対してさらに鉛を加えることで、切削加工性を向上させた材料がC5341です。「快削りん青銅」とも呼ばれています。

まとめ

銅系材料は、鉄系材料やアルミニウム材料に比べるとやや旋盤加工がしにくい材料ではありますが、優れた特性を持つため、旋盤加工で作られている製品も多くあります。

当社サーフエンジニアリングでは、真鍮を始めとする銅系材料の加工にも対応しております。ぜひご相談ください。