10 旋盤加工で使われる樹脂系材料

旋盤加工では、金属材料だけでなく樹脂材料を加工することもあります。金属材料と同じ条件で加工すると破損してしまう可能性があるため、樹脂加工にあった条件で加工をするのが一般的です。

ここでは、旋盤加工で使われる樹脂系材料の種類と特徴をいくつかご紹介します。

MCナイロン

MCナイロンは青色の樹脂材料で、正式名称を「モノマーキャストナイロン」と言います。6ナイロンと呼ばれる一般的なナイロンよりも機械的強度や耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性などが高く、優れた性能を持っています。軸受けやギヤなどの機械部品としてもよく使われる材料です。

ジュラコン

ジュラコンは「POM」とも呼ばれ、耐衝撃性や耐摩耗性、自己潤滑性などの優れた機械的特性を持ちます。軸受けや歯車などの機械要素部品を、金属から樹脂に置き換えるときに使用されています。切削加工もしやすいため、旋盤加工には適した材料だといえます。

テフロン

テフロンは「PTFE」とも呼ばれるフッ素樹脂です。耐寒性や耐熱性に優れており、耐薬品性も良いので過酷な環境下で使用できます。薬品を通すポンプやバルブといった形で、化学プラントや半導体機器、医療機器などの部品として使われることが多い材料です。

PEEK

PEEKは、優れた性能を持つ樹脂であるスーパーエンジニアリングプラスチックの一種です。抜群の耐熱性を持ち、融点が334℃と樹脂材料の中ではトップレベルです。機械的強度も非常に高く、耐薬品性にも優れています。加工がしやすく、高い寸法精度を出すことができますが、非常に高価な材料としても知られています。特殊な用途で限定的に使われるケースが多いです。

まとめ

近年では、金属材料の置き換えとして使用されるほど優れた特性を持つ樹脂材料が増えています。樹脂材料についての知識も持ち、材料を選定するときに役立てていただきたいと思います。