旋盤を始めとする工作機械では、切削工具を用いて材料を加工します。旋盤加工でよく用いる切削工具はバイトと呼ばれており、さまざまな種類のものが使い分けられています。
今回は、バイトに関する基礎知識と主要なバイトの種類についてご紹介します。
バイトとは
バイトは旋盤加工で使われる切削工具です。旋盤バイトと呼ばれることもあります。材料を削り取って部品を形作っていく旋盤加工では、なくてはならない工具の一つです。
バイトは、旋盤に取り付けるためのシャンクと呼ばれる本体の部分と、加工を行うためのチップと呼ばれる刃部で構成されています。バイトで特に重要なのは刃部です。材料を削り取るためには、刃部の硬さが材料よりも硬く、壊れない必要があります。バイトの材質としては、超速度工具鋼、超硬合金、セラミックスなどがよく使用されています。
バイトの刃部にはさまざまな種類があり、加工する部品の形状に合った最適なバイトを選定する必要があります。バイトが加工可否や加工効率、品質に直結するので、旋盤加工を行う上で重要なポイントです。
片刃バイト
シャンクと平行の刃先が片側だけについているものを、片刃バイトと呼びます。旋盤加工で最もよく使われているバイトです。刃先がどちら側についているかの違いで、右片刃バイトと左片刃バイトの2種類にさらに分かれています。
片刃バイトは、外径を加工する外丸削りや、端面削りなどで使用されます。
突っ切りバイト
突っ切りバイトは、材料を切断する(突っ切る)加工で使用するバイトです。細い刃部の先端に刃先が付いているような形状となっています。
主に材料を切り離すときや、溝加工をするときなどに使用されます。刃部が細くて壊れやすいので、取り扱いには十分に注意する必要があります。
中ぐりバイト
中ぐりバイトは、円筒形状の内径部分を加工するために使用するバイトです。ボーリングバーと呼ばれることもあります。片刃バイトと同じように片側に刃先が付いていますが、少し外に出っ張っているのが特徴です。
中ぐりとは、ドリルなどを使ってあらかじめ空けておいた穴を広げていく加工のことを言います。
まとめ
旋盤加工では、さまざまな材質や形状のバイトを組み合わせて、図面通りの部品を作ることになります。バイトによってできる形状、できない形状が決まるので、旋盤加工を依頼する際にはバイトについて知っておくのがよいでしょう。