船舶部品の単品加工はどこに頼む?艦船改修のローレット手すり製作事例

「社内に機械加工のできる人間が50〜60人いるのに、ローレットを切れる人がいない」――そんな理由で、当社に艦船改修部品の相談が来たことがあります。造船・海事産業は今、政府の戦略17分野に位置づけられ、海底ケーブル敷設船の確保に約1000億円という予算検討が報じられるほどの追い風の中にあります。この記事では、船まわりの部品加工を「どこに頼めばいいのか」で悩む調達・設計のご担当者に向けて、実際に当社が対応した艦船改修部品の事例をお話しします。

結論:船舶部品の単品・小ロットは「町工場の得意技」で埋まる

造船所や艦船の改修現場で必要になる部品は、量産品ではなく「今回だけ10本」「この船に合わせて数個」という単品・小ロットがほとんどです。大手の加工部門は量産設備に最適化されているため、こうした仕事は意外なほど行き場がありません。逆に言えば、旋盤の単品加工を主力にする町工場にとっては真正面の仕事です。

実例:ローレット加工のはしご手すり、社内60人でも「切れる人がいない」

数年前、神奈川・横須賀方面の造船関連企業から、艦船の改修工事に使う「はしごの手すり」の製作依頼をいただきました。材質はステンレス(SUS304)、サイズはφ20〜25mm×長さ300〜400mm程度。表面には滑り止めのローレット加工(アヤ目の凹凸をつける転造加工)が必要な品物で、数量は10〜20本、納期は3〜4週間でした。

驚いたのは依頼の経緯です。先方には機械加工のできる方が50〜60人も在籍していたにもかかわらず、ローレットを切れる人がいなかった。それでインターネット検索から当社のホームページにたどり着いた、という話でした。ローレットは特別に難しい加工ではありませんが、経験者が減っている加工のひとつです。「うちの設備では誰もやったことがない」という理由で外に出てくる仕事は、実は少なくありません。

もうひとつ印象的だったのは書類の多さです。艦船関連ということもあり、品質記録や納品まわりの手続きは通常案件よりかなり多く、納品方法についても細かい調整がありました。この「書類と手続きに付き合えるかどうか」は、船・防衛まわりの仕事を受ける上で技術力と同じくらい大事な要素だと感じています。

なぜ町工場に船の仕事が来るのか

  • 単品・小ロットだから。改修・修理は一品一様で、量産ラインには乗りません。
  • 「できる人」が減った加工があるから。ローレットに限らず、ねじ切りや長尺加工など、担い手が減った加工は探してでも外注されます。
  • 納期が読みやすい相手が求められるから。船はドックに入っている期間が決まっており、その間に部品が揃わなければなりません。

当社は最大φ750×長さ2500mmまでの旋盤加工に対応しており、手すりのような小物から、シャフト・スリーブといった大きめの船用部品まで一貫して対応できます。すべての案件をお受けできるわけではありませんが、「どこに頼めばいいかわからない」段階のご相談こそ歓迎です。

よくある質問

Q. 1本だけでも頼めますか?

はい。当社は単品加工が主力です。改修・修理用の1本からお見積りします。

Q. 図面がなくても相談できますか?

できます。現物や手書きのスケッチから図面を起こして製作した実績が多数あります。

Q. 艦船・防衛関連の書類対応はできますか?

品質記録・検査成績書など、案件に応じた書類対応の経験があります。要求内容を先にお知らせいただければ、対応可否を含めてお答えします。

まとめ

船舶・海事分野は国の投資が集中する成長領域ですが、現場で必要なのは「単品を、期日どおりに、確かな品質で」作れる加工先です。ローレット手すりのような小さな部品でも、船の工期を左右します。船まわりの部品調達でお困りの方は、まずは状況だけでもお聞かせください。

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まだ情報収集の段階という方は、当社の設備一覧旋盤加工のよくある質問もご覧ください。