工事現場の歩行者通路を確保する4つの方法|安全性とコストを比較

「歩行者用の通路を確保してください」――発注者や監理者、労働基準監督署からそう指摘され、仮設計画の見直しに悩んでいませんか。市街地の掘削工事では、歩行者や自転車をどう安全に通すかが第三者災害防止の要になります。

結論から言うと、工事現場で歩行者通路を確保する方法は大きく4つあり、歩行者・自転車の通行量と工事期間で選ぶのが基本です。人通りの少ない短期工事ならコンパネでも成立しますが、市街地で人通りの多い現場では、段差の小さい歩行者専用資材を使うほうが安全面でもトータルコストでも有利です。

この記事では、掘削溝用の歩行者横断プレート「わたるくん」を開発・製造している私たち株式会社サーフ・エンジニアリング(神奈川県綾瀬市の金属加工メーカー)が、4つの方法の向き・不向きを正直に比較します。

方法1:コンパネ+歩行者マット

最も手軽で安価な方法です。現場にある材料で済み、切って合わせる加工も自由にできます。ただし、コンパネと養生マットを重ねると路面との段差が約24mmになり、歩行者のつまずきや、自転車の前輪が取られる転倒事故の原因になります。雨に濡れると滑りやすく、泥で汚れると清掃も大変です。木材のため、繰り返し使ううちに割れやたわみも出ます。

方法2:敷鉄板(厚さ10mm〜)

強度は十分で、車両の通行にも使えるのが敷鉄板です。一方で1枚数百kgあるため、設置・撤去には重機と玉掛け作業が必要です。朝夕に開け閉めする掘削溝の歩行者通路には大がかりすぎるうえ、10mm以上の段差とガタつき、雨天時の滑りやすさは残ります。

方法3:樹脂製の覆工板・敷板(レンタル)

軽量で人力設置でき、開口部の養生などでは優秀な資材です。ただしレンタル費は工期に比例して積み上がり、長期工事や複数現場では購入品より割高になることがあります。また、歩行者専用に設計されたものでない場合、端部の段差や滑りの問題は解決しません。

方法4:歩行者専用の横断プレート

掘削溝の歩行者横断に特化した専用資材です。当社の「わたるくん」の場合、路面との段差はわずか2mm、標準サイズで重量14.8kgのため、作業員1人で朝夕の設置・撤去ができます。静的耐荷重は200kg、集中荷重1.6t。メッシュ構造で雨水や泥が溜まらず、鋼製なので繰り返し現場間で転用できます。注意点は歩行者・自転車専用で、車両は通行できないことです。

4つの方法の比較

項目 コンパネ+マット 敷鉄板 樹脂覆工板 歩行者専用プレート
段差 約24mm 10mm〜 製品による 2mm
設置 人力 重機・玉掛け 人力 人力(1人・約15kg)
雨天 滑りやすい 滑りやすい 製品による メッシュで水が溜まらない
繰り返し使用 消耗が早い レンタル費が累積 可(鋼製)
車両通行 不可 製品による 不可(歩行者・自転車専用)

開発のきっかけは、ガス工事会社からの事故相談でした

わたるくんは、ガス工事会社様からの相談を受けて開発した製品です。きっかけは、コンパネで代用していた渡し板が折れて作業員の方が大腿骨を骨折する事故(全治6か月)が起き、発注元から「対策しなければ発注停止」と通告されたことでした。コンパネの強度と段差の問題を、金属加工メーカーとして「厚さ2mm以上の鋼板・路面段差2mm」の設計で解決しました(商標登録第5717309号)。現在は東京電力・東京ガス・水道局の指定工事業者様の現場で使われており、お客様からは「とにかく丈夫。安心感がすごい」という言葉をいただいています。

まとめ

  • 人通りの少ない短期工事ならコンパネでも成立するが、約24mmの段差リスクは残る
  • 市街地・駅前など歩行者の多い現場では、段差の小さい歩行者専用資材が安全面・収支面で有利
  • 車両を通すなら敷鉄板・覆工板、歩行者だけなら軽量な専用プレート、と役割で使い分ける

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