第三者災害とは?工事現場の歩行者対策を公衆災害防止対策要綱から解説

「第三者災害の防止」――安全書類や店社パトロールで必ず出てくるこの言葉を、現場の若手に正確に説明できますか。この記事では、第三者災害(公衆災害)の意味と、国土交通省の「建設工事公衆災害防止対策要綱」が求める歩行者対策、そして現場で実際に効く打ち手を整理します。

執筆しているのは、掘削溝用の歩行者横断プレート「わたるくん」を開発・製造する株式会社サーフ・エンジニアリング(神奈川県綾瀬市の金属加工メーカー)です。ガス工事会社様からの事故相談をきっかけに歩行者対策の資材を作ってきた立場から、実務目線でまとめました。

第三者災害(公衆災害)とは

第三者災害とは、工事関係者以外の第三者――通行人・近隣住民・一般車両など――に危害や迷惑を及ぼす災害のことです。公衆災害とも呼ばれ、作業員がケガをする労働災害とは区別されます。

被害を受けるのが工事と無関係の市民であるため、社会的責任は労働災害以上に重く問われます。発注者への報告、工事の一時停止、地域からの信用失墜など、現場だけでなく会社全体への影響が大きいのが特徴です。

建設工事公衆災害防止対策要綱が求める歩行者対策

国土交通省がまとめた建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編・解説)は、工事に伴って歩行者の通行に影響を及ぼす場合、歩行者が安全に通行できる通路の確保や誘導などの措置を施工者に求めています。仮設計画の段階で「歩行者をどこから、どうやって通すか」を具体的に決めておくことが出発点です。

歩行者まわりで起きやすい3つの事故

掘削を伴う工事の歩行者対策で、実際に起きやすいのは次の3つです。

  • 掘削溝への転落:区画不足や夜間の視認性低下で発生。最も重大な結果につながる
  • 渡し板の段差でのつまずき:コンパネ+マットの渡し板は段差が約24mmになり、高齢者やベビーカーには大きな障害になる
  • 自転車の転倒:段差に前輪を取られる、濡れた板でスリップするなど、渡し板由来の事故が多い

実務の打ち手は「区画・誘導・通路品質」の3点セット

カラーコーンや仮囲いでの区画、誘導員の配置はどの現場でも実施されています。見落とされがちなのが3つ目、通路そのものの品質です。せっかく誘導しても、通路上の渡し板に24mmの段差があれば、つまずき・転倒のリスクはそのまま残ります。歩行者用通路の段差と滑りをどこまで小さくできるかが、第三者災害対策の仕上げになります。

渡し板の事故は「発注停止」に直結します

当社の歩行者用横断プレート「わたるくん」は、ガス工事会社様からの相談で生まれました。きっかけは、コンパネで代用していた渡し板が折れ、作業員の方が大腿骨を骨折する全治6か月の事故です。このときは被災したのが作業員だったため労働災害でしたが、同じ板の上を歩行者も通ります。折れたとき板の上にいたのが通行中の市民だったなら、そのまま第三者災害でした。

そして発注元がこの会社に伝えたのは「対策しなければ発注停止」。事故は治療や補償だけで終わらず、仕事そのものを失うリスクに直結します。当社はこの相談を受けて、段差2mm・耐荷重200kgの鋼製プレート(商標登録第5717309号)を開発しました。納入後、お客様からは「とにかく丈夫。安心感がすごい」という言葉をいただいています。

まとめ

  • 第三者災害(公衆災害)は工事関係者以外に及ぶ災害で、社会的責任が重く問われる
  • 公衆災害防止対策要綱は、歩行者が安全に通行できる通路の確保を施工者に求めている
  • 区画・誘導に加えて「通路の段差と滑り」まで手を打つと、対策の穴が塞がる

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