「AIで業務を効率化したい。でも、どの仕事から手を付ければいいのか分からない」。中小製造業でAI活用を考え始めたとき、最初にぶつかる壁がここです。やみくもに試しても、便利だった、で終わってしまいます。この記事では、AIに任せる仕事を見つけるための棚卸しの方法を、「周期の決まった仕事」と「都度の事務」という2つの軸でお伝えします。当社で実際に使っている考え方です。
なぜ棚卸しが要るのか
AIは何でもできそうに見えるぶん、対象を決めないと散らかります。効果が出るのは、「繰り返し発生し、手順がだいたい決まっている仕事」です。まずは社内の事務を書き出し、その中からこの条件に合うものを探す。これが棚卸しです。書き出すときに役立つのが、次の2つの軸です。
軸1:周期の決まった仕事(日次・週次・月次・年次)
決まった日に、決まった手順でやってくる仕事です。スケジュールを組めば、人が頼まなくても自動で実行できるので、効果が安定して出ます。
- 日次:毎朝の確認ごと、届いた書類の整理など
- 週次:週に一度の集計や点検など
- 月次:月末の仕訳、支払日の前の振込データづくり、領収書の電子保存など
- 年次:年に一度の届け出や、期限のある更新手続きなど
私たちサーフ・エンジニアリング(神奈川県綾瀬市の機械加工会社)では、たとえば次の仕事を周期で回しています。
- 会計ソフトへの仕訳(月次):月70件超を約13分。金額は手作業の集計と一致
- 電子帳簿保存法の索引簿づくり(月次):カード明細と請求書PDFを突き合わせ、毎月自動で作成
- Web集客の点検(週次):自社サイトの解析データを毎週点検し、直すところを報告。検索の平均掲載順位は18.3位から8.6位に
軸2:都度発生する事務
もうひとつは、いつ来るかは決まっていないが、来たら毎回同じ手順で処理する仕事です。見積依頼、仕入先からの書類、お客様への確認図など、町工場の事務の大半はこちらに入ります。
都度の事務は、手順を一度決めて「型」にしておけば、あとは一言頼むだけで片づきます。当社の例です。
- 見積依頼からの案件登録:メールと図面を読み、2つのアプリに登録。1件5〜10分が2〜3分に
- 確認用図面の作成:手書きや表計算ソフトの図を図面フォーマットに清書。1枚約47秒
- 2次元図面の3D化:図面のPDF・DXFから立体モデルと平易な説明を作成。1件10〜20分
- 仕入先の書類の取り込み:書式がばらばらの見積回答・納品書を読み取り、発注書類に反映
片方だけ見ると、大事な仕事が抜ける
自動化というと、定期の仕事ばかりが挙がりがちです。月末の締めは分かりやすく、効果も見えやすいからです。しかし、日々いちばん手間を取られているのは、実は都度の事務のほうだった、ということがよくあります。1件は数分でも、毎日何件も来るからです。
逆に、都度の事務だけを見ていると、月に一度まとめて時間を取られる仕事を見落とします。棚卸しでは、必ず2つの軸の両方で書き出してください。
棚卸しのやり方:紙1枚で十分です
- 書き出す。事務の担当者に、1週間と1か月の仕事を思いつくまま挙げてもらいます。
- 2つの軸に分ける。「決まった日に来る仕事」と「来たらやる仕事」に分けます。
- 回数と時間を書く。月に何回あるか、1回に何分かかるかを、おおよそで構わないので書き添えます。
- 手順が決まっているものに印をつける。毎回ほぼ同じ手順なら、AIに任せる候補です。
- 最初のひとつを決める。回数が多く、間違えたときの影響が小さいものから始めます。
大事なのは、一度に全部やろうとしないことです。ひとつ動かして、効果を確かめて、次に進む。この順番が、結局いちばん早く進みます。
一緒に棚卸しをする場合
私たちの「AI伴走支援」では、初回の訪問(3時間)で貴社の業務を見せていただき、最初に取り組む仕事をひとつ決めます。その後は、月2回・3か月の導入期で、社員の方と一緒にひとつずつ仕組みにしていきます。棚卸しの結果、AIで解く課題が見つからなければ、契約はおすすめしません。
まとめ
- AIに任せる仕事は「周期の決まった仕事」と「都度の事務」の2軸で探す
- 周期の仕事はスケジュールで自動実行、都度の事務は型にして一言で頼む
- 書き出して、回数と時間を添え、最初のひとつを決めるところから始める
よくあるご質問
どの仕事から始めるのがよいですか?
回数が多く、手順が決まっていて、間違えたときの影響が小さい仕事からがおすすめです。
棚卸しにはどれくらい手間がかかりますか?
最初は紙1枚に、週と月の仕事を思いつくまま書き出すだけで十分です。細かい分析は要りません。
棚卸しの結果、AIに向く仕事がなかった場合は?
解く課題が見つからなければ、私たちは契約をおすすめしません。
まずはご相談ください(無料)
棚卸しを一緒にやってほしい、というご相談も歓迎です。貴社の事務を見せていただき、最初のひとつを一緒に決めます。
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お電話:0467-79-6506(平日 9:00〜17:00)
株式会社サーフ・エンジニアリング(神奈川県綾瀬市吉岡東3-10-3)
この記事の内容と数字は、当社で実際に動いている仕組みと当社の記録(2026年)にもとづいています。